絃のマメ知識

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絃のマメ知識

2016.01.24

楽器に合う最良の絃を使っていますか?
絃の種類が多すぎて名前を覚えるがやっとで、どんな材料(素材)を使っているのかなんてとんでもない。次々と各メーカーから新しい絃が発表され、これって何????という訳で、今回は近年特に発展した絃、コア(核)の材料について少しお話しようと思います。

モダン絃の材料は、まるで錬金術師の本のレシピのよう。
シルバー、アルミニウム、ニッケル、またはタングステン、スズ、チタニウムなどの巻線と、中心にはシープガット、ナイロン、宇宙世代の化学繊維、あるいは良質のスチール繊維を複雑によりあわし編まれたものがコアとして隠れています。
老舗・新規の会社を問わず、絃のメーカーは楽器とプレイヤー達の要求に幅広くこたえようと、様々な材料を研究しています。

絃はそのコア(核)の材料によって大まかに分類することができます。

・ガットコア絃 ―
‘‘生き生きとして表情に富んだ音域を持つ、魅力的な音..’’と評されるように、まだまだ強く求め望まれる弦。
しかし、最新の生産技術をもってしても、気温と湿度に過度に反応し、パワーに欠ける傾向..といった弱点が現代のプレイヤーにとってネックになっています。
最近のモダンガット絃は羊の腸からではなく、牛のスクレローザ(腸を体内に固定する為の細胞膜)から作られ、羊より強い張力を持ち、密度が高く硬いものになっている。

・スチールコア絃 
最もシンプルなスチール絃は単一スチールのコアにワイヤーを巻かれたものです。またほとんどのメーカーは、細かなスチール繊維を独自の構成のロープをコアにした絃を展開しています。このコアは弓にすばやく反応し、多くのスチール単線に見られた音の鋭さ(金属音)を和らげます。またとても柔軟で弾力があるので張力がソフトに感じるでしょう。

・ナイロンコア絃 ―
1970年トマスティック社から‘‘ドミナント’‘という名前で世に出されました。非常に柔軟性を持つナイロンでよられた繊維をコアに使い、画期的なものでした。ナイロンは温度・湿度の変化にも影響されにくく、その丈夫さと温かい音色でガット絃の代替品として受け入れられました。

・シンセティックコア絃  
各メーカーでいろいろな種類の新素材を開発使用しています。
ヨットに使われているマルチファイバー、宇宙船と衛星を絶縁するのに使われる物質、マイクロファイバー、名前を聞いても、はてこれはどんな素材かしら??..
メーカーからも製品紹介の中で、シンセティックとしか書かれていません。
ラーセンはバイオリンとビオラの絃、ダダリオ社はザイエックス、トマスティック社はインフィールド・レッドとブルー、そしてピラストロ社はエバピラッツイ・オブリガート・ビオリーノを売り出しています。

どの絃も温度・湿度に対し安定性が保たれることが一番です。
あなたが今の音(絃)に満足しているのならば問題ありません。しかし不満足に思っているのなら、まずセットアップをチェックすることから始めてください。
調整のできていない楽器(駒が曲がっている・魂柱が合っていない・はがれている)に
魔法のような絃の組み合わせを探し求めても無理な話です。また古い絃は消耗しています。太くて切れにくいG線はいつ替えましたか?全ての絃を替えたのはいつですか?
一年前くらいかな..と言われる方が多いのですが、切れなくても3ヶ月~6ヶ月に一回は全ての絃を替えましょう。音がよみがえるのを実感できるはずです。もし変化を望むのなら、異なった張力を試してください。ほとんどの絃は3種類の張力を用意していますが、各ブランドによってその張力は違っています。張力が高くなればより高い音を得られますが、コントロールしづらく弓の反応が遅くなります。パワフルな楽器をお持ちの方はすばやく反応させる為に、低い張力の絃を好みます。さらに絃の巻き部分の素材密度が高いほどサウンドはダークになります。例えばタングステンはシルバーの約2倍、シルバーはアルミニウムの3倍の密度です。クロームよりシルバー巻絃は、より軟らかく豊かな音を作り出すので室内楽ミュージシャン達に人気があるそうです。
バイオリンとビオラは下3絃に1つのブランドを、そして高音部に独自に選択することでだいたい決定できます。チェロはより複雑です。なぜなら上2絃と下2絃の異なった音色・品質で、低音域から高音域へとなめらかに移行することが望まれるからです。
結果を予報することはできません。どの絃も全ての楽器に同じように作用しません。
各プレイヤーの手法と独自の演奏技術の違いが、異なった音色をもたらします。

さあいかがでしたか?もしあなたに不満があるのでしたら、まずはセットアップのチェック(簡単にクリニックできます)、そして違うタイプの絃を試してみてください。
新しい音の世界が広がってくることでしょう。